これまでの物語①
これまでの物語
2017年11月に創業したレザーブランド「HushTug(ハッシュタグ)」。
準備期間を経て2019年4月にオンラインストアでの販売を開始し、以降多くのお客様に選んでいただけるようになりました。
しかし、その道のりは決して順風満帆では無く
「このままでは会社が倒産する…!」
と感じるほどの危機は一度や二度ではありませんでした。
そうした危機を乗り越えられたのは、他でもなくHushTugを選んでいただいたお客様のおかげです。
レザー製品は決して安い買い物ではありません。
そんな中でもご検討いただくお客様に、ぜひHushTugのこれまでの物語やブランドへの想いを知っていただきたいと思いました。
HushTug社員、職人、そしてお客様と共に作り上げてきたこれまでの物語。
少し長いですが、お時間のある時に楽しんで読んでいただければ嬉しいです。
目次
HushTugのこれまでの物語を語る上で欠かせないのがHushTug創業の地である『モンゴル』という国です。
海外に拠点を持ったり、生産を海外でしているというアパレル・バッグメーカーは数多く存在しますが、中国や東南アジアなど、費用や生産の効率に優れた土地であることがほとんどです。
ではHushTugはなぜモンゴルだったのか。
その理由は、実際に行ったモンゴルに「私たち日本人が知り得ない悲惨な現状」があったからです。
モンゴルの現実と深刻な社会問題
HushTug代表の戸田が初めてモンゴルを訪れたのは2017年5月。
私たち日本人が思い描くモンゴルといえば、
・広大な自然
・自由に暮らす遊牧民
・数多くの動物たち
などでしょうか。
しかし、実際に足を踏み入れた首都ウランバートルは現代化が進んでおり、多くの高層マンションや商業施設が立ち並んでいました。
その時点ですぐにイメージとのギャップを感じましたが、衝撃的だったのはそのエリアからたった数キロ先の光景でした。
プラスチックや使えなくなったタイヤなどの不燃ゴミを燃やし暖をとる人たち。
彼らは経済的な理由で電気が使えないため、-40℃にもなる寒い冬を凌ぐためにゴミを燃料にしていました。
街中は大気汚染が進み、空気が汚すぎて外をまともに歩くことが出来ません。
PM2.5の値は、WHOが定める安全値の100倍以上(北京の大気汚染の5倍以上)になり、首都ウランバートルは世界最悪の大気汚染と呼ばれていました。
更に衝撃を受けたのは、ゴミの山で生活をする子供たちの姿。
経済的に苦しく、捨てられた子供たちがゴミの山から物を漁りながら生活をしていたのです。
「モンゴルは、こんな問題を抱えているのか…。」
そんな驚きを感じた戸田が考えたことは「この問題を解決するために自分に何かできることはないだろうか?」ということでした。
モンゴルに住み、半年が過ぎた頃。
買い物中に偶然、モンゴルレザーの製品を手にとる機会がありました。町中で乱雑に売られていたレザー製品。値段はとても安いものの、デザインや作りは粗悪でした。
しかし、ふと思いました。
「モンゴルは動物が多くいる国だから素材は安く手に入る。日本のデザインや技術を導入すれば世界で通用する製品を作れるのではないか?」と。
HushTugが生まれたとき
「これだ!モンゴルレザーを使用した、質の良いレザー製品を作ろう!」
モンゴルの人々が抱える貧困、そして環境問題。
これらを解決するには「世界で通用する高品質なものをモンゴル国内で作り、世界に売り出すこと」が必要でした。
現地に生産工場を作り、事業が軌道に乗っていけば、モンゴルにも技術が生まれるし、雇用が生まれる。雇用を生むことができれば社会の大きな助けになる。また、ブランドが広まることによってモンゴルの現状を知る人が増えていけば、モンゴルが抱える社会問題も解決の方向に向かっていくかもしれない。
ようやく、自分なりに一つの答えにたどり着きました。
この活動ならば、現地で頑張って働く職人に技術を身につけてもらうことが出来るし、日本の人たちにも長く使える高品質な製品をリーズナブルな価格で届けることが出来て喜んで頂ける。
「自分たちが心から使いたい!」
作るならばそう自信を持って語れる商品を作り、売り出そう。
HushTugが誕生したのは、この瞬間でした。