目次

  1. 代表がモンゴルへ。HushTugのはじまり
  2. モンゴルでNo.1の工場に成長。ところが…
  3. 畳み掛けるトラブル。HushTug終了の危機
  4. 奇跡の回復!HushTugの現在とこれから。

 

 

新型コロナウイルス流行の影響

順調に成長を続けていた中で起こった新型コロナウイルスの流行。様々な業界に影響は与えましたが、HushTugも大きな被害を受けました。

まず緊急事態宣言による外出自粛やリモート勤務の開始による影響です。

当時HushTug製品の大半を占めていたのはバッグやリュック。外出が減ったことで当然バッグなどの需要も減り売上が落ち込んだ時期もありました。

 

 

また、モンゴルから日本へ製品を送る物流にも影響が出ました。

輸送のための飛行機や列車、船の運行が不安定になったために在庫が無くなってしまい、数ヶ月待ちの予約でしか商品を販売できませんでした。

 

これまでも日本人とモンゴル人が国を超えて一緒に仕事をしていたわけですから、多くのトラブルは経験していました。

「モンゴルのために頑張ろうと」お互いに話し合い、なんとかそれらのトラブルを乗り越えてきましたが、世界的に流行した新型コロナウイルスによる影響は私たちの努力でどうにかなるものではありませんでした。

 

それでもなんとか死に物狂いでブランドの運営を続け、HushTugを選んでいただいたお客様方のおかげで業績を持ち直すことができました。

 

 

約2年間で2万人以上のお客様に選んでいただき、新型コロナウイルスの影響も収束に向かい始めた頃。

 

更なるトラブルが連続してHushTugを襲うこととなりました。

 

 

ロシアによるウクライナ侵攻の影響

モンゴルという国は東アジアの北部にあり、様々なものを隣接した国から輸入しています。

特に大きいのが中国、そして歴史的にモンゴルとの関係も密接なロシア。

HushTugでバッグを作るためには元となるレザー以外にも多くの資材や機材が必要です。

ウクライナ侵攻によって、他の多くの国々との親交、そして国民の生活そのものが失われたロシアから資材などを輸入することが難しくなり、どんどん材料費が上がっていきました。

 

中国のゼロコロナ政策

モンゴルはもうひとつの大きな隣接国である中国とも深い関係があります。

中国国内のモンゴル側には内モンゴル自治区があり、物流やモンゴル国内への輸入に関して言えばロシア以上の関係があります。

そうした中、中国が行うゼロコロナ政策の影響でモンゴルとの国境が閉じられてしまい、原価は高騰。資材やレザー製品を作るための機材などがなかなか手に入らなくなりました。

HushTug製品はモンゴルから列車で中国に向かい、船で日本で運んでいます。そのため物流も不安定になり、結果としてHushTug製品を日本で販売するためのコストが大きく上がってしまいました。

 

円安の影響

2022年、様々な要因からこれまでに類を見ないほど急激に円安が進みました。

モンゴルから日本へ。レザー製品を輸入し販売しているHushTugも当然大きな影響を受けました。

原価、そして輸送費が高騰した事で大幅にコストが高くなってしまいました。

 

工場運営の後継者不足

そうしたタイミングで起こったのがHushTug工場運営者の「後継者不足」という問題でした。

 

これまでモンゴルの職人たちをまとめていた日本人の工場長が退職することになり、「工場すら運営できないかもしれない」という危機的状況に陥りました。

 

もちろん代理で誰かがモンゴルに行く選択肢もありますが、ロシアのウクライナ侵攻やゼロコロナ政策、円安など、その他のトラブルも重なっており、四重苦とも言える状況です。

 

 

 

「このままでは、本当にHushTugというブランド自体が終わってしまう」

そう思ったのを今でも覚えています。