3月から職人のスキルUP勉強会をスタートしました!
こんにちは!
HushTugのハリウナーです。
2020年1回目のブログで今年の工房の目標を書きました。
その中の1つが『職人の技術力を向上させる』ことを目標にしました。
職人の技術力の向上をするために工房では3月の始めごろからスキルUPを目的とした勉強会を行っています。
勉強会を始めてから職人さんが少しずつレベルUPしているので今回は勉強会の成果と作業風景をご紹介します。
職人勉強会を始めました
HushTugの工房で勉強会をスタートした目的の一つとして生産数の増加が挙げられます。
バッグは複数のパーツから出来ており、パーツを作る職人とパーツを縫い合わせバッグを作る職人に分けられます。
パーツを造る職人はミシンを使った細かな作業はないため、未経験者でも勤まりますがパーツを縫い合わせる職人はミシンや細かな作業があり、ある程度の技術が必要になります。
現在、HushTugの工房は未経験者(パーツを作る職人)が多く、ミシンを使い縫い合わせられる職人が少ない現状です。
一人でも多くミシンを使い作業できる職人を増やすため、3月の初旬ごろから勉強会を開き技術指導を行っています。
勉強会を担当してるのがHushTugの技術責任者のフレルバートルさん(フルレー)です。
フルレーさんはミシンの使い方以外にもゴムノリを塗って貼る作業や断面の処理の方法など細かな部分も品質向上のためにみんなに丁寧に教えてくれています。
いつもみんなに教えてくれてありがとう!
職人に全ての工程は教えないのが普通
HushTugの勉強会ではバッグをゼロから一人で作れるようになることを目的として勉強会をしていますがモンゴルの他の工房では職人の独立を防ぐためすべての工程や技術を教えないのが普通です。
そのためモンゴル国内の職人の技術力が向上せず、優秀な職人が育たないという負の連鎖が続いています。
HushTugでは逆にすべての技術を職人には惜しみなく提供しています。
もし、職人が独立してもモンゴル国内に技術が浸透し、国全体の技術レベルが向上する事はとても良い事なので教えられることは全て教えるようにしています。
勉強会でやっていること
勉強会では基礎的な工程から最後の仕上げまですべての工程を一人でできるようにするのが目的です。
実際に勉強会で行っている内容を少しご紹介していきます。
マニュアルの確認
未経験の職人が見ても分かるような2種類マニュアルを用意して渡しています。
一つ目はAUTOCAD(キャド)で書いた絵のマニュアルです。
これはカットされたパーツのサイズや形が間違っていないか確認するためのモノで組み立ての前後で確認してミスが無いかチェックしています。
もう一つは画像付きのマニュアル(手順書)です。
こちらは切り出したパーツの仕上げ方やパーツの組み上げ方などの手順を写真付きで説明している手順書です。
今は嬉しい事に職人も増えてきてひとり一人に細かく教えることが出来ないためある程度一人でもできるように写真付きでわかりやすく解説しているモノになります。
基本的にこの2種類のマニュアル通りに作って行き、わからない場所があれば技術責任者のフルレーさんに聞いって作業をしています。
※未経験者の新人さん(HushTugで働いて1ヶ月目)
自分の用意したパーツをAUTOCADのマニュアルと比べて確認しながら進めています。
パーツを仕上げる
AUTOCADマニュアルを必要なパーツを全て切り出したら、次はパーツひとつ一つの断面の処理やファスナーなどの付属品を付けパーツを仕上げていきます。
職人の皆さんはここまでは普段から仕事としてやって来ているので慣れた手つきで仕上げていました。
※HushTugで働いて4ヶ月目の職人さん
レザーリュックの裏地を仕上げる作業をしてます。
※HushTugで働いて3ヶ月目の職人さん
レザーリュックのショルダーの部分を仕上げる作業をしてます。リュックのファスナーポケットまでしっかり縫えていて驚きました。
上記の画像に写ってる職人達は勉強会以外で普段まだミシン触ってない人ばかりでこの勉強会中にミシンを使えるようになっていました。職人の成長を感じられて見てて嬉しく思いました。
最後の組み立て、縫い合わせ
勉強会の参加者は未経験者だけに限られておらず、革ミシンを使える経験者も参加にしています。
勉強会は工房全体のスキルアップを目的としているので未経験者はもちろん、経験者でもすべての商品を一から作れる人は少ないため、他の商品を作れるようになりたい人も参加しています。
勉強会をスタートしてまだ1ヶ月ほどですが、すでに商品をイチから作れる人が増えて来ました。
前列の3人はミシンを使える経験者の職人で後列の4人はミシンを使った事がなかった未経験の職人です。
勉強会は週に1回3時間ほど作業をしています。
そのため1回で1個の商品を作るのは難しく、自分が作っているバッグに名前を書いて保管しています。
ちなみに革用の消せるペンで名前を書いているので後で消しています(笑)
経験者の3人はこの1ヶ月間の勉強会でポーチからスクエアリュックまでほぼすべての商品を縫えるようになっています。3ヶ月前くらいはまだ縫えなかったのでみんな成長していて嬉しいです。
未経験の4人の職人の中でも右側の2人は2019年11月から働いてる職人です。
2人ともパーツの多いレザーリュックまで作れるようになっていてびっくりしました。
左側の2人は2020年1月から働いてる職人でスクエアポーチとマルチケースなどのパーツが少ない商品にチャレンジしていました。
スクエアポーチとマルチケースはサイズが小さく、作りが細かくて意外と難しい商品ですが形もキレイで驚きました。
まだ始めてから1ヶ月ですが、職人が成長していて改めて勉強会をやって良かったなと思います。
最後に
3月からこの勉強会をスタートさせて1ヶ月半ほど経ちました。
始めた頃に比べ、みんな縫製の技術や切り出しの仕上げなど驚くほど上達していてびっくりしました。
今回参加してくれた職人の皆さんにはもっともっと技術を磨いて今度は技術指導者として新しく入ってくる職人さんの指導をして欲しいなと思っています。
全ての商品を完璧に作成できるようになるにはもう少し時間がかかりますが、職人さんには作れるようになって欲しいと期待しています。
世界中コロナがまだ落ち着いてないようですが、モンゴルは感染者が低いままで、普通に営業してます。
国内での感染者がゼロで、海外から来た帰国者の16人が医療中です。なので、皆さん安心して、引き続き応援をお願いします。
いつもありがとうございます。
HushTug
ハリウナー